キャベツの不思議な力
結論を一言で言ってしまえば、食べるべきものを食べることです。どこでどのように知ったのかを残念ながらもう忘れてしまい、そんな大事なことを忘れてしまう自分の健忘症に呆れ返っていますが、キャベツが胃腸に大変に良い食べ物であり、それを規則的に食べていると胃腸がとても健康になるということを何かで知りました。私はTVはほとんど見ませんので、インターネットか何かの本や雑誌で知ったのだと思います。胃腸が弱く、そしてそういうことをすぐに試してしまう能天気な私としては、早速キャベツを毎日食べることにしました。
家族のある一家の大黒柱としては普通、朝食と夕食は家で奥様が作ってくれますので、簡単に自分の自由になる食事といえば昼食です。そこで3年ほど前から毎日昼食にキャベツを食べ始めることにしたのです。毎日昼食にキャベツを大きいものなら1/8~1/4位、小さいものなら1/3~半分位食べ続けたのですが、その結果驚くべき効果が現れました。まずは一週間もかからないうちに下痢が治ってしまったのです。多くの本には、キャベツなどの野菜の繊維は便秘を解消すると書いてありますが、私の場合は便秘とは反対の下痢の解消となりました。
祖父、そして父親も非常に胃腸が弱かったのを覚えていますが、その遺伝もあってか子供の頃から胃腸が弱いのは自分でも知っていました。牛乳やコーヒーを飲むとすぐに下痢をしてしまいました。下痢に暑さが関係するのかどうかは分かりませんが、夏などは普通に食事をしているだけで下痢です。それにもかかわらずに30代の頃からは毎晩晩酌をしていたのでほぼ毎日酷い下痢だったのですが、それが僅か数日で普通の人のそれになってしまったのです。
意思が弱くて毎晩の晩酌はなかなかやめることができず、毎日のその下痢が異常なほどではあることは分かっていてもどうすることもできません。しかたがないので放っておきましたが、一日に何度もトイレに行き、特に昼食の後はすぐトイレに駆け込むことが多い異常な排便の毎日でした。
それだけトイレットペーパーを使うことは、拭かれる部分の皮膚にも良くないはずですし、それが軽症ではあるものの、痔にも関係しているであろうことは簡単に想像がつきました。そのひどい下痢が僅か一週間もしないうちに治ってしまったのです。トイレットペーパーに汚れが全く付かないこともしばしばあり、まるで小学生のそれのようになってしまったのです。
人間は赤ちゃんの頃にはお腹の中の善玉菌が7割くらい存在して、それが歳を取るにつれて段々と減ってきて、その代わりに悪玉菌が増えるそうですが、その関係で小学生のそれがいかにも健康そうでトイレットペーパーも汚れないのかどうかは分かりませんが、とにかく健康を感じさせてくれる嬉しい大変化でした。
現代人は一日に三食も食事をするので、そのうちの一食くらいキャベツをメインに食べるくらいなんとかなるだろう。と、思える人もいれば、え~、一日一回とはいえ毎日生のキャベツなんかを食べ続けるの?と、驚く人もいると思います。でも実はそれって思ったよりも簡単なんです。
その理由は二つあります。その内の一つはまずキャベツが大変美味しいことです。千切りでソースやマヨネーズをかけて食べる、ロールキャベツで食べる、あるいは炒め物で食べるというのなら分かるけど、それを生でそのままで?と、疑問を持ってしまいがちですが、これが意外と美味しいのです。ドイツにはキャベツが3種類あってその内の二つ、Spitzkohl(*1)とSpanisch Kohl(*2)は、一番外側の方の葉っぱを何枚か多めに取り除けば生で食べても大変美味しいのです。
*1 先がややとんがった円錐形のキャベツです。
*2 上からつぶされたかぼちゃのような形の平たいキャベツです。
但し残りのひとつ、日本のキャベツに一番よく似ているWeisskohlというキャベツは、実が詰まっているので重量があって包丁が真っ直ぐに入っていかないほどの硬さなのですが、お味の方もとても生で食べるられるものではありません。でもどういうわけかドイツ料理で有名なザワークラウトにはWeisskohlが一番合うようです。いずれにしてもSpitzkohl とSpanische Kohlという二種類のキャベツはとても柔らかくて生でも美味しいのです。
味噌やソース、ドレッシング、塩コショウなど全く不要です。それなりに自然の味がついていて、そのまま食べても美味しくて全く問題ありません。そしてよく噛めば粉々になって唾液ともよく混ざってさらに美味しくなります。
2つ目の理由はその驚くべき効果ですが、あれだけひどい下痢をわずか数日でほぼ完璧に治してしまうその偉大な威力にはびっくりです。ただやはりキャベツだけでは昼食としてのボリュームにちょっと不足ですので、最初は中にハムや芋サラダを挟んでクルクル巻いて食べるのもいいと思います。りんごを切る時のように、キャベツを立てて上から縦切りで四分の一くらいにして食べるのが歯ごたえが良くて一番美味しいのですが、保存の面からは葉を一枚一枚はがして食べるのがいいと思います。
キャベツだけではどうしても足りないという場合は、ナッツや干し果物のミックスをポリポリと食べるのをお勧めします。スーパーの健康食品売り場っぽいところで、100g入りの小さな袋に入ったピーナッツ、アーモンド、ブラジルナッツ、カシューナッツ、マカダミアナッツ、干しナツメヤシ、干しイチジク、その他各種の干しブドウなどが売っていますが、それらをタッパウェアーに入れてかき混ぜて食べます。
理由は後に詳しく書きますが、木の実は人類が今までに最も長い間食べ続けてきたと思われる食料で栄養も豊富だからです。ちなみに干しナツメヤシを食べて夜中に二度もトイレに行っていたご老人がその後夜中に一度もトイレに行かないですむようになったというお話を聞いたこともあります。
わずか数日で下痢が嘘のように治ってしまったことにびっくりして、大変に興味がわいたので早速インターネットや本で色々と調べてみました。キャベツの良さには実は昔から定評がありました。古代ローマの時代やそれ以前の古代ギリシャの時代にも、キャベツは胃腸の調子を整える健康食として食べられていたそうです。(注: 毎日の下痢は治りましたが、胃腸の弱いのは相変わらずのようで、辛いものなどをちょっと多く食べれば相変わらずその後は下痢です...)
キャベツに含まれている栄養素は多く、ビタミンA、B1,B2,B3,B5,B6,B9、C、カルシウム、鉄分、マグネシウム、リン、カリウム、亜鉛...などですが、中でもビタミンCがずばぬけて豊富で、大き目の葉二,三枚で大人が一日に必要とするビタミンCをカバーできるそうです。特に中心部にビタミンCが多く含まれているそうです。カルシウムは丈夫な骨を維持してイライラを解消し、精神を安定させる作用もあるそうですが、素晴らしいのはビタミンUとKだそうで、ビタミンUは胃腸の粘膜修復に必要なたんぱく質の合成を促進するので新陳代謝を活発化して、胃や十二指腸の潰瘍を修復もすればその発生を抑制する働きがあるそうです。
ビタミンKには、骨にカルシウムが沈着するのを助けるはたらきがあるらしく、骨粗しょう症の予防に効果があり、もしビタミンKが不足すると骨に十分なカルシウムが取り込めなくなって骨がもろくなり、貧血や大腸炎などをおこしやすくなるそうです。赤ちゃんの脳内出血を防ぐ作用も認められており、妊婦や授乳期の母親に十分とって欲しい栄養素だそうです。
キャベツの食物繊維は、便秘を改善するだけでなく、腸内環境を良好に保ち、大腸がん、高血圧、動脈硬化、糖尿病、肥満などの病気に効果のあることも判明しているそうです。キャベツの外側の葉の緑色部分には、カロチンが比較的多く含まれていて、体内で必要な量だけビタミンAに変わった残りは抗酸化物質として働くそうです。ビタミンAは、皮膚や粘膜を丈夫にし、がんの予防や、活性酸素の害から身体を守る働きもあります。赤キャベツには、血栓を防止するポリフェノールが含まれているので、動脈硬化防止、免疫力増強、肝臓害抑制などの分野でも使われているそうです。
キャベツはアメリカ国立がん研究所によって提案された”デザイナーズフーズ・リスト” の中のトップグループ(ガーリック、キャベツ、カンゾウ、大豆、しょうが、にんじん、セロリ、バーズニップ)に位置づけされた食品でもあるそうです。癌の抑制成分であるイソチオシアナートやインドール化合物、発癌物質の活性化を抑制するペルオキシダーゼなどが含まれているので、ビタミンCとともにがん予防に大きな効果があるそうです。
胃炎や胃潰瘍の人は、胃粘膜の再生を助けるビタミンUを効果的に摂取するために、キャベツの絞り汁250mlを一日二回、食前に飲むと10日ほどで効果が現れるそうです。私がキャベツを生で食べ始めて一週間もしない内に効果が出てきたことは少しも不思議なことではなかったわけです。他にもキャベツの葉には鎮静効果があるので、葉を手でもんで患部に貼っても効果があるそうです。
キャベツに関してこれだけの長所があることを知ってしまうと、何で今までキャベツがこんなに素晴らしい食べ物であることを知らなかったんだろうと悔やまれてしまいそうですが、考えてみれば日本でも揚げ物やコロッケなどの脂っこい食事には昔から必ずキャベツの千切り付いています。ドイツでも肉料理にはザワークラウト、アメリカでもステーキにコールスローが付いています。やはり昔から世界中でキャベツの効力は知られていたのです。
ちなみにドイツ料理で有名なザワークラウトは、その材料にはとても硬いWeisskohlが一番いいようですが、それは納豆と同じように発酵食品ですので納豆菌と乳酸菌の違いはあってもこれも腸には大変いいと考えられます。そういえばキャベジンという胃腸薬がありますが、キャベジンというのはビタミンU(S-メチルメチオニン)の別称だそうですから、某製薬会社さんはキャベジンという名前をそのまま拝借してしまったのでしょうか。
キャベツなどの野菜の食物繊維は普通便秘を解消してくれるとよくいわれますが、逆に酷い下痢も驚くほどに治してくれるわけですので、便秘も下痢もどちらも正常な方向に振ってくれるわけです。すごいのは下痢が治るだけでなく、花粉症、皮膚の弱さが治ってしまい、さらには風邪などの病気に対して強くなってしまうことですが、以上のキャベツに関する詳しい情報でそれも納得できるのではないでしょうか。
胃腸が改善されて免疫力が高まり、皮膚や粘膜、身体そのものがが強くなったとしか他に考えようがありません。肌が弱くてリップクリームやハンドクリーム、そして鼻の粘膜が弱いので頻繁に鼻をかむためのティッシュがひと時も離せず、ジャケットの数以上にコンパクトタイプのハンドクリームとリップクリームを用意してあったのが、今ではそれらが引き出しの中で役目も行き場も失っていくつもゴロゴロと転がっています。
他にも皮膚の強さに関してですが、以前はあごのところに時々にきびのようなものが年甲斐もなくできていましたが、それもこの三年間一度もできなくなってしまいました。さらには髭剃りですが、安全剃刀でひげを剃ると以前は数箇所から出血するので電動シェーバーしか使えなかったのですが、ひょんなことからその後試してみるとその出血も一切なくなってしまったので、今ではシャワーを浴びながら安全剃刀で楽に髭をそれるようになりました。しかも石鹸やムースなどの泡なしで、使うのは安全剃刀とお湯だけです(石鹸やムースなしには他にも理由がありますが、その理由はこちら)。これらの事実を肌や粘膜が強くなったといわずに何といったらいいのでしょうか。
そしてさらにはちょっとお恥ずかしいお話しですが、加齢とともに実は小用の時に最後の切れが悪くなってきていたのまで治ってしまったのです。小用を済ませて、元あったところにしまった後に、どういうわけか切れが悪くてオ○○○が数滴下着に付いてしまって気分の悪い思いをする時がありましたが、それも治ってしまったのです。さらにはひょっとしたら老眼も治してくれるのでは...?と、大きな期待をしてしまいましたが、残念ながら老眼には全然効かないようです(笑)。
これらの驚くべき効果に益々大きな興味がわいてさらに色々と調べた結果に行き着いた先の一つがマクロビオティクスです。なぜマクロビオティクスがそんなにいいのでしょうか。なぜマクロビオティクスは癌さえも克服してしまうのでしょうか。それはマクロビオティクスが、人間が元々ずっと食べ続けてきたものを食べるということだからではないでしょうか。人間が元々食べるべきものを食べて腸が改善されて、その結果として免疫力がアップするからではないでしょうか。現代人は元々食べるべきものを食べずに身体を悪くしているといえないでしょうか。
人間は何を食べるべきか = 今まで何を食べ続けてきたか
アフリカで見つかった化石の分析の結果で最近の考古学の研究者の意見では最古の人類が440万年前頃に生きていたとされるアルディー(*)だそうです。それが正しいかどうかは別としても、アフリカで類人が木から地上に降りて直立して活動するようになったのは何百万年も前のことだったことは間違いないようです。ダーウィンの進化論が正しいのかどうか。人類が猿から分かれたのか、それとも最初から人類として発生したのか。猿から分かれたのではない場合、ではどうやって発生したのかという質問には誰も答えられないでしょうし、ここはその場ではないのでその議論はここではおあずけにしますが、とにかく1500万年ほども前にアフリカの東部で地殻が裂けて噴出した溶岩で何千kmにも及ぶ山脈と渓谷、現在の広大な地溝が形成されたであろうことは明らかだそうです。
* 1992年にエチオピアで発見された約440年前の初期人類、ラミダス猿人(アルディーが発見される前までは、約320年前のアファール猿人ルーシーが最古)。身長120センチ、体重45~50kg、脳のサイズはチンパンジー並み(アファール猿人よりも小さい)で、現生人類の1/3程度。身体のつくりから、直立二足歩行をしていたと思われるものの、足の指でものをつかめるなど(私もできます)、樹上生活に適した特徴を持つ。陸上と樹上の両方で生活していたと考えられている。臼歯が小さくて平らに磨耗しているので、かたいものはあまり食べていなかったと思われ、果実、木の実、キノコ、小動物などの様々なものを食べていたと考えられている。(ちなみに私は木登りブタ科に属するようで、おだてられると豚にもかかわらずに木に登れてしまいます...)
片側はその後も以前と変わらず森林として残ったものの、残りの片側は気候と環境の変化から森林がまばらになってサバンナ化したそうです。サバンナといえば草原。森林のままで残った方では今まで通りにサルは木の上を移動して、サバンナ化した方ではそれまで木の上で生活していた猿達が地上に降りざるを得なくなったと考えられるそうです。それらがその後猿人に進化したと考えられるそうです。
だから私たちのお尻にはいまだに不要な尻尾の残りと思われる形跡が残っているのでしょうか。なぜ木の上で生活をしていたのか。それはそこには木の実など十分に食べるものがあり、なおかつ地上の猛獣から襲われる危険がないためだったと思うのですが、木がなくなってしまえばいやでも地上で危険を冒して食べ物を探さなくてはなりません。
どこからが人類と呼べるのかの線引きも難しいでしょうが、それでも人類の先祖が数百万年前に誕生したのは間違えのないことのようです。ところでネアンデルタール人の存在はその化石から判断すると約25万年前に出現して約3万年ほど前に消えてしまっているそうです。ネアンデルタール人はまだそれほど器用に道具を使いこなせたわけではなく、骨格がかなりしっかりしていて現代人とは比べ物にならないほどの力持ちだったそうで、顎も歯も大きく発達していました。つまり食べていたもの多くは自然に存在するもの、木の実や果物、昆虫、そして狩猟に成功すれば小動物の肉などとなっていたはずです。ですが当時の道具は現代のものとは違って小動物の狩猟はかなり難しかったであろうと想像できます。
当時の化石からは彼らが昆虫を食べていたことが分かっているそうですが、現代人もイナゴの佃煮や蜂の幼虫などの昆虫を食べていますね。石器を使い出した形跡があるのは200万年も前だそうで、その頃の頭蓋骨からは既に言葉を話せる能力ができつつあったと判断できるそうですが、それでもやはり原始的な食べ物を食べていて、煮炊きをしている形跡はまだないそうです。つまり人類は少なくとも400万年以上も前から数万年前まで、つまり何と数百万年もの長い間ずっとそのような自然のものを食べ続けてきたわけです。そういうものをずっと長く食べ続けてきて私たち人間の身体は進化の結果として出来上がったはずなわけです。
ネアンデルタール人の後、三万年前から一万年前に現れたとされるクロマニヨン人でも穀物を耕したり、火を使えるようになった形跡がないために、それは僅か1万年ほど前頃からと考えられるそうです。クロマニオン人はその頃既に精巧な道具を使っていたそうですが、穀物を作っていた形跡はないそうなので、食べ物を料理できるようになったのは、数百万年もの長い人類の歴史の中でもまだごくわずか最近のことといえます。食べ物を料理できるようになったことによって食べ物が柔らかくなってアゴや歯が小さく退化したといえるそうですから、その進化はこの1万年前後のようです。その僅か1万年の間に顎や歯は小さく退化したものの、数百万年以上食べていたものの事実は変わりようがなく、そして最後の1万年の間は多くの穀物を食べていたと考えられるわけです。
例がちょっと極端になりますが、サメの場合は獲物を鋭い歯で食いちぎってはそれをそのまま胃に送り込んでいるだけなのは数多くの映像を見ていてもわかります。サメは人間や草食動物のように何度も何度も食べ物を口の中で噛むということはしない、いえ、できないようです。だから歯はあのようにギザギザになっていて千切るだけの機能。もし何か硬いものを噛んでしまって歯が抜けてしまったりしても、すぐに後ろに控えている次のギザギザの歯が前方にしゃしゃり出てくるそうです。あのギザギザの歯で千切られたまま送られてくる獲物の一部の塊をそのまま消化しなければならない胃の消化力もたいしたものだと思います。そうでないと慢性消化不良で以前の私のようにずっと下痢が続いてしまうはずだからです。
トラやライオンなどの猛獣の歯もそういう意味では似たものではないでしょうか。それに比べて牛や馬は食べている草を口の中で何度も何度も噛んでいます。牛や馬の餌である草もかなり硬くて消化が難しいのかもしれません。それで牛には胃が4つもあるのでしょうか。我々人間も口に入れた食べ物を何度も噛んでから食道に送り込みます。当然歯の形もサメや猛獣のような形ではなくて牛や馬のそれです。さてそれではそれが一体何を意味しているでしょうか。つまり長い年月の間に食べてきたものが歯をそのように形作った、進化させたと考えられないでしょうか。つまり数百万年の間、木の実や果物、昆虫を食べてきた、そして最後の1万年ほどは穀物を食べてきたから今の人間の歯の形ができたといえないでしょうか。そしてそれは歯に限らず、胃や腸などの内蔵などもずっと食べ続けてきたものに合わせて進化したとは考えられないでしょうか。
平たいお皿によそられたものを食べることができない鶴と、細長い入れ物に入ったものが食べれない狐のイソップ童話のお話しではありませんが、歯や内臓だけでなく、口の形や体型もその長い年月の生態にもとづいて進化したと思えます。猛獣の歯がいかにギザギザでも、もし牛のように動きがのろまだと獲物を捕まえることはできずに絶滅してしまうと思えます。キリンの首が短いと高い木の葉っぱを食べることができません。最も分かりやすい例ですと、蟻食いの口や舌はまさに蟻を食べるためにできているようにしか思えません。人間の口、歯、食道、胃や腸もそのように今までづっと食べ続けてきたものを効率よく身体に取り入れるために出来上がっていないでしょうか。
先に書いたようにダーウィンの進化論を支持するかしないか、人が猿から枝分かれしたのかそれとも突然誕生したのかの議論は置いておくとしても、進化というのは間違いなく起こってきたはずだといえると思います。精巧な道具を使えるようになってからは確かに魚や肉も食べ始めたと考えられますが、ライフルや罠などの技術はなかった頃の狩は簡単ではないでしょうから、肉食はかなり限られたもので僅かごく最近になってからだと想像できます。もし人間がかなりの長い間に猛獣のような食生活をしていたとしたら、現在のようにほとんどの歯が臼歯となるのではなくて、その多くが犬歯となっていた方が自然ではないでしょうか。ずっと長い間食べてきたものが身体や歯を進化させてきた。つまりそいうものを食べるのが身体にとって一番良いという結論につながらないでしょうか。
マクロビオティクス
マクロビオティクスでは、臼歯や犬歯の数の比率に合わせて食事をするのがいいとしています。つまり一番多い臼歯に合った穀物を多く食べ、犬歯に合った肉などは少なくするというものです。正確に言えば臼歯は、穀物など食べ物を、うすのように何度も噛んで食べるように進化の過程でできたはずです。そして犬歯は、肉食・捕食をするためにできました。よって人間の身体(歯)には、穀物や野菜が良い食べ物で、肉、精製(精白・精米)食品、加工食品が良くない食べ物だというわけです。
肉がなぜ良くないかの理由には、肉は腐敗がひどく、精製食品、加工食品は新鮮でないという点があります。マクロビオティクスでは玄米がいい食べ物の代表のひとつとされていますが、それは特に日本人がお米を主食とするので、白米に代わる良いものとしてだと思いますが、白米は栄養分がたっぷりと削り取られた上に、白米自体が既にお亡くなりになってしまっているので新鮮ではありませんが、それが玄米だと栄養たっぷりでしかもまだ生きていて新鮮そのものです。
玄米が新鮮であると聞いて、実験好きな私は早速玄米を何粒も湿ったところに放っておいて試してみたのですが、しばらくしたら本当に芽が出てきました。つまり玄米はまだ生きているのです。新鮮そのもの、活き造りなのです。ドイツ語では“Du bist, was Du isst”英語では“You are what you eat”といいます。日本語にすれば“食べるものがあなた(になっている)”となるでしょうか。食べるものが自分の身体になるのだということをもっと真剣に考えて、口に入れるものを選ばなければいけないと思います。
玄米といえばうちの奥さんは以前から白米と半分ずつ混ぜて炊いてくれていたのですが、私はそれを2010年頃までは美味しくない(と思っていた)ので、玄米を混ぜないで!と文句をいっていたのが、今日では逆に、なぜ100%玄米にしないのかと文句をいっている自分に呆れてしまいます。玄米って、噛み応えもあって、噛めば噛むほど(唾液で)甘くなって美味しいのはご存知でしょうか?
お恥ずかしながら、私は子供の頃から喉が渇いた時の飲みものといえば白糖がたっぷりと入っている(であろう)ジュースでした。そして両親が共働きだったこともあって食事の多くは冷凍食品でもありました。水を飲めば身体に水分が回ります。ミネラルウォーターを飲めば水分だけが身体に補給されますが、飲むものが清涼飲料水類だと余分なお砂糖も身体に取り入れられます。白糖よりはブラウンシュガー、ブラウンシュガーよりは蜂蜜やメイプルシロップ(樹木から摘出される甘味)の方がさらにいいことになりますが、清涼飲料水で使用されているのはほとんど白糖のようですので、清涼飲料水を飲むごとにお砂糖を身体に取り入れていることになります。
余談ですがミネラルウォーターにも色々と種類があり、現在そのほとんどが日本に輸入されていますが、フランスのContrexのような硬水もあれば、同じフランスでもほとんど軟水のVolvicまでさまざまなものがあります。日本の水道水は普通軟水ですが、それは日本の国土が狭くて山に降った雨が地中のミネラルを十分に吸収できる前に表に出てきてしまって飲料水となるからだそうですが、大陸の場合は長い間地中の中を伝わるのでたっぷりのミネラルを吸収して硬水となります。つまりカルキとして嫌がられてフィルターで取り除かれてしまっているのはミネラルです。人間は汗をかけば塩分やミネラルを失ってしまうのでそれを補給しなければなりませんが、その場合は身体への吸収効果が関係あるものの、そういう意味では軟水よりも硬水の方が本当はいいのかもしれません。
身体が求めていないもの、もっと正確に言えば祖先も含めてずっと昔から食べ続けてきていないものを食べれば病気になっても不思議ではありません。それが分かっていながら、楽だからといってついついファーストフードや加工食品を食べてしまいます。確かに三度三度の食事を考えるのも大変なことです。でもその食事によって実は身体が良くも悪くもなるということをそろそろ真剣に考えた方が良くないでしょうか。病気になるということは、身体が危険信号や悲鳴を出しているのでしょうが、それ以前に病気よりは軽い便秘や下痢、花粉症なども実は身体が出してくれているサインではないでしょうか。そういう身体が出してくれているサインを無視し続ければ体に支障が出てくるのは当然のような気がします。
人間も昔は野生の動物のようにもっと勘がよく、そういうサインを見逃さずに行動していたのではないでしょうか。それがここ数百年の技術の進歩で生活がとても楽になった代わりにその必要がなくなって勘が鈍くなってきてしまっているのではないでしょうか。勘とか気とかは大変大事なものだと思います。なぜならそれも身体や心が発信する信号だと思えるからです。その人がいままでに積んだ経験、体験が記憶されている頭と身体の情報に個人の個性や好みをミックスして自分に合う合わないなどを総合的に計算してくれていると思います。つまり自分の心の声ともいえないでしょうか。仮にもしそれをコンピューターで計算させたなら、先日スーパーコンピューターの世界選手権のようなものでダントツで優勝したらしい富士通の”京”でもかなわないと思います。
さすがに若い時はまだ経験、体験が少ないですからご年配の意見やアドバイスを聞いてそれを参考にするのは必要なことだと思いますが、それでも何となく気が乗るとか、何となく気が進まないとかいう自分のフィーリング、自分の心に耳を傾けるというのはそういう意味では大事なものだと思います。”勘に頼るな!”とはよく言いますが、あえて私は”勘には頼ってください。”と言いたい気がします。日本語には”気”という漢字を使った言い回しがたくさんあって、それだけ気が重要視されていることをご存知でしょうか。マクロビオティクス、ヨガ、断食などの先生方も、重病患者に対して目の前に何種類もの軽い食事を用意して出して、何が今本当に心から食したいかを自分の心に聞いてもらって与える方法があるそうです。
ところで肉と野菜の腐り方を比べると著しい差があります。肉はその辺に放っておいて腐ると大変臭いですが、野菜はそれほどではありません。人間がそれらを食べた後に、お腹の中でも似たようなことが起こっていないでしょうか。胃の中で最初に胃酸で溶かされはしますが、よく考えてみれば食物として口に入っても最後にでてくるウ○○をより長い間からだの中で保っていたいと思う人(内蔵)はいないはずで、できれば早く出したいと思うのが当たり前ではないでしょうか。それとも直腸だけは例外的にウ○○に対して強くできていて(実際にはそうでしょうが)、長い間ウ○○がそこにあっても大丈夫なのでしょうか。本当のところは胃や腸も、腐りの激しい肉よりも野菜の方をより歓迎してはいないでしょうか。田舎道には時々牛馬の糞が落ちていて臭い匂いがしますが、もし仮にあれがあれだけの量で肉食動物や人間のものであったとしたら、とんでもない臭いのはずです。授乳だけの赤ちゃんのウ○○は全然臭くないのと逆です。
西洋人は日本人よりも腸が2割ほど短いそうです。日本人よりも長い間肉を食べ続けてきた彼らの腸が、腐りの激しい肉を少しでも早く体外に排出しようということで腸が短くなろうと努力した進化の結果だとは考えられないでしょうか(おもしろ医学歴史も合わせてご覧下さい)。花粉症は戦前というか、数十年前はなかったそうです。それは食生活が変わったからだと考えられないでしょうか。実際にそうだと考えている人がたくさんいます。日本人が肉を食べるようになったのはわずかこの数十年の間だそうです。そして保存料や着色料などをふんだんに使った加工食品、インスタント食品、冷凍食品が出てきたのもまだ比較的最近です。江戸時代の日本人は、魚もさることながら米やあわ、ひえなどの穀物を主に食べていたそうです。
そういう食べものに慣れ続けてきた身体に、腐りのひどい肉や消化する能力もないのに牛乳、そして自然に反する保存料や着色料を使った加工食品を食べたら身体が悲鳴を上げるのは当たり前といえないでしょうか。その悲鳴、危険信号として身体から出されるサインが便秘、下痢、花粉症、アトピー、鼻炎ではないでしょうか。科学保存料などを使って長く持たせられるようにしたものは自然に反しています。いい色に見せるための着色料なども同じです。自然に反したものにいいものはありません。つまり今まで人間がずっと長く食べ続けてきただろうと思われて、しかも新鮮であるものが体にいい食べ物であるということで、マクロビオティクスを世界中に普及させた桜沢如一さんがいうところの良食です。桜沢さんはジョージ オーサワという名前でマクロビオティクスの関係では世界中に知られている人です。
牛乳や乳製品ですが、これもマクロビオティクスでは少なくとも日本人にはよくないとされています。元々日本人には牛乳に含まれる乳糖(ラクトース)を分解する酵素(ラクターゼ)が不足して消化する能力がないので下痢を起こすのだそうです。下痢を起こすということは、身体が拒んでいるからと考えられないでしょうか。身体が拒む食べ物が身体に良いわけがありません。桜沢さんなどは、牛乳とは牛の赤ちゃんが飲むために存在するものである。牛の赤ちゃんのために存在する飲み物が人間の大人に良いわけがない。他の動物の赤ちゃんの飲み物を飲む大人などというのは人間だけであると喝破されております(但しさすが動物界の最上位にいる人間。他にもいくつかの唯一がありますが)。
よってやはりキャベツや野菜も生で食べるのが一番いいようです。調理をしてしまうと野菜に含まれているビタミンなどが熱でやられてしまうためです。そしてよく噛むことも大事です。食べたものは胃酸によって胃で消化はされるものの、歯でよく噛んで胃に送るのとそうでないのとには胃のお仕事に大きな違いが出てきます。マクロビオティクスでも回数多く噛むことを薦めています。人間が最も多く持つ歯、臼歯は元々何度も噛むように作られているのであのような形をしていると思いますが、多く噛むことによって唾液が多く出て噛んでいるものが甘くなって味もよくなります。
マクロビオティクスというのは元々ドイツ人のお医者さんでChristoph Wilhelm Hufeland(1762-1836)という人が始めたそうですが、それを世界中に広めたのは前述の桜沢(1893-1966)という日本人です。マクロビオティクスを知らなければ知り得ない人かもしれませんが、ちょっとでもかじるとものすごい人であることが分かります。まずは書いた本の数。ものすごい数の本を書いています。フランス語や英語でも書いています。戦時中には堂々と反戦の態度をとってその当時の権力者たちから大変な目に合わされています。日本では意外とあまり知られていないマクロビオティクスが海外でわりとよく知られていますが、その貢献者はあのシュバイッツァー博士とも会って議論をしている桜沢さん、そしてそのお弟子さんたちです。
桜沢さんを始め、マクロビオティクスの達人たちは食事療法で何人もの癌患者も治してしまっています。えっ、マクロビオティクスって癌も治しちゃうの。と驚かれるかもしれませんが、キャベツを毎日食べるだけで下痢、花粉症が治って風邪にもかからなくなるくらいですから、マクロビオティクスで癌が治っても少しも不思議とは思えません。むしろ当然のことといえると思います。癌や糖尿病も昔は一部のお金持ちしかかからなかったそうです。つまりはやはり食べ物といえそうです。美味しいものという意味ではなくて良食という意味でのいいものを食べて免疫が高くなっていれば生活習慣病などは元々人間とは縁のないもののようです。
今からもう30年以上も前にアメリカでマクガバンレポートという、病気と食生活に関する国民のための国家レベルの調査が行われたそうです。低所得層の飢えが社会問題となっていたのがその理由だったそうですが、調べが進むうちに人間の病気や死因が食生活に大きく関わっていることが段々と分かってきたそうです。そして食事には、全粒穀物、果物、野菜、鶏肉、魚、低脂肪乳を増やして、肉類、バター、卵、脂肪、砂糖、塩分を減らした方がいいという結果が出ました。それってほぼマクロビオティクスです。
日本は敗戦によって食事の面でもアメリカからの大きな影響を受けました。アメリカでは当時、豊作の時にあり余ってしょうがないパンの原料となる穀物を大量に日本に持って来て、先に書いたように日本人には消化できる能力もない牛乳と合わせて小学校の給食に取り入れました。そういう過去のどうにもならない条件もあったのでしょうがない面がありますが、その後アメリカの政府で出したマクガバンレポートの結果が、昔の日本人の食事が一番良さそうだという結論を出しているのは大変皮肉なものです。
ですがだからといって良食を始めたいけどそのスタートの壁は厚くて難しそうだと始める前から嘆く必要はありません。かくいう私も肉類を一切やめたわけではなく、その量はたぶん以前とそれほどは変わっていないと思います。但しキャベツを必ず昼食に週に最低5回以上は食べるということが続けられています。そして現在ではその昼食にキャベツの他に玄米と多数の木の実が加わっています。キャベツはほぼ一年中スーパーで売っていますし、玄米は炊飯器でお水を多めにしてまとめて炊いて、炊けたら塩をまぶした平たいおにぎりのようなものにしてサランラップで包んで冷凍しておきます。
“私も花粉症を克服しよう!しかも病気にも強くなってやろう!”と思われた方は、まずはだまされたと思ってキャベツから始めてみてはいかがでしょうか。朝食、昼食、夕食のどこか、あるいはおやつにでも4分の1でも8分の1でも食べて始めてみてはいかがでしょうか。下痢のある方(便秘の方も)はすぐに効果が出てきますし、効果が出れば効いている証拠なので面白くなってきます。もし対花粉症対策として始めてみようという場合は、春から4ヶ月ほど遡った冬頃に始めれば次の春の花粉症の時期には何かしら効果が出ると思います。人間の身体の全細胞は3,4ヶ月で一巡するそうだからです。よって体質(腸)の改善にも最低はそのくらいかかると思うのです。それで春の4ヶ月前からというわけです。もし効果が低ければ量が少ないと思ってもう少し頑張って次の春に備えてはいかがでしょうか。食べ物で身体が強くなる。こんなに簡単でうれしいことはありません。
文明の発展
文明の利器、科学の発展は私たちの生活を本当に便利で楽にしてくれました。ですが世の中いいこと尽くしのものはひとつもありません。万物に必ず長短どちらも備わっています。楽をすればそのしっぺ返しは必ずあります。俗にいう温室育ちはそのいい例です。温室で育てると見てくれのいい野菜や植物がスクスクと育ちますが、含まれている栄養分は少なくて実際にはひ弱です。それに比べて道端で育つ雑草などは決して美味しくはないでしょうが強く育ちます。だから温室育ちのもやしっ子などといういい回しで人間に対しても使われます。冷蔵庫や冷凍庫、保存料や着色料などの登場は人間に多大な快適さと食生活の変化とバラエティーをもたらしてはくれましたが、それらもやはり長所ばかりではありません。
冷蔵庫のない昔は干物や燻製、漬けもの、発酵食品が唯一の保存食でした。それらには善玉菌がうようよしていて身体にいいものばかりです。そしてそれら以外はすぐに食べなければ腐ってしまうので、昔は鮮度の高いものか発酵食品のみの身体にいい食べ物だけを食べていたといえます。それがその後見せかけだけ鮮度の良いもの、しかし本当は身体によくないものがこの数十年間の間で食べられ続けてきました。快適を求めた結果としてそうなってしまいましたが、そこでは営利を目的とする各メーカーの売上優先主義も強く影響していると思います。冷蔵庫や冷凍庫の開発・販売競争もそうですが、冷凍食品や加工食品の開発・販売競争もそうです。いかに楽をして食事を取れるか。買いだめをして冷蔵庫や冷凍庫に保存して電子レンジで暖めるだけですが、それらの食品は身体にいいのでしょうか。
そしてそれは食事に限らずにありとあらゆる製品・商品に関していえることだと思います。例えば石鹸やシャンプーなどもそうです。落ちにくい汚れに対して石鹸やシャンプーは確かに有効ですが、人間の身体が毎日かく汗だけを落とすのに本当にその両者が必要でしょうか。油だとか、何か化学系のものだとかが身体についてしまったのなら話は別ですが、汗だけなら水やお湯で十分に取れるそうです。洗った後に石鹸やシャンプーのいい匂いがするのがイコール洗ったという常識になってしまっていないでしょうか。そしてその間違っているかもしれない常識で実際のところは肌を傷めてしまっていないでしょうか。
自分で実験してみて分かるのは、石鹸を使わずに身体を洗ってしばらくすると今まで脂性だったおでことかの肌の脂の分泌が減ってくることです。つまりあまりテカテカしてこなくなります(注: 但しそれはキャベツ等の食事の影響も含まれるかもしれません)。そしてシャンプーを使わずにお湯だけで洗髪すると脱毛の数か著しく減り、髪の毛がしなやかになってきます。胃腸の中だけではなくて人間の肌にもたくさんの微生物が存在しているそうですが、それらは適度な汗や脂質などの本来は肌が必要としているスベスベさの元と共に共存共栄しているそうです。それらが必要以上に洗い流されてしまうのは肌にとっては迷惑なことになるそうです。きれいに洗っているつもりが肌をいためてしまうことになっていないでしょうか。
メーカー主導になってしまっていると感じられるのは車についても同じです。ハイブリッドや電気自動車が騒がれていて開発競争が激しくなっていますが、車一台が作られるのに必要な材料や資源を考えると、今乗っている車からそういう先進の車に乗り換えるのがエコなのではなくて、今乗っている車をなるべく長く間乗り続けるのが本当は環境にとっては一番いいそうです。以前某日本自動車メーカーの広告で、SUVタイプの車の座席を映画館の中で設定した広告がありました。座席の位置が高くなっているので、前方にあるスクリーンが見やすいということを強調していました。でもそれじゃあ直ぐ後ろの人達はどうなってしまうのでしょうか。そして多くの車がSUVになったらその意味自体がなくなってしまいます。
衣服にしても同じです。大ヒットした某社のものすごく薄い防寒下着。本当に斬新な技術だから暖かいのでしょうか。似たようなものは昔から色々なスポーツ用品メーカーから出ています。寒い時や寒い場所で行うスポーツをする人達のための下着としてスグレものなのですが、どれもみな同じように薄くてフィットして大変暖かく感じます。ただし今まであったものは一般大衆向けではないので、販売を見込む数量が少なくて量産効果が出ないためか、普段から着るには手を出しにくい価格帯でした。それを某社は昔からのお得意の方法で数量を見込んで大量生産して価格を落として新しい市場というか需要を作ってしまったような気がします。
また脱線してしまいましたが、人間は動物界の頂点にいて、他の全ての動物たちが食べることと種の保存、つまり夫婦の営みをするのが精一杯で人生が終わってしまうのに比べて、マズローの法則でいうところのその最低のレベルの一段階以外にも4つも次元の上のことが与えられています。近代化、快適化によってその生き物の基本となる、最低のレベルである生理的欲求の取り扱い方がおろそかにされてしまっているような気がします。食べるべきものを食べずに、食べるべきでないものを食べ続けた結果、身体がおかしくなってきてしまって身体が黄色信号を出しているとしたら、それを続けていては本当に身体がおかしくなってしまいます。食べるべきものを食べていれば免疫がきちんと働いて便秘や下痢、花粉症や病気にもならないのが、食べるべきでないものを食べ続けて免疫がきちんと働かずに身体が弱くなってしまっているのではないでしょうか。
内視鏡の専門医によりますと、マクロビオティクスやベジタリアンの人達の胃腸の内側の壁は、それはきれいな色をしていて表面もすべすべ、つるつるしているそうです。それに比べて肉食、悪食の人達のそれは色も悪くて表面もでこぼこでいつどこにポリュープができてもおかしくないような状態だそうです。それを聞くと西洋人の腸が一生懸命頑張って(?)2割も短くなったのが理解できるような気がしてきます。身体にいいものを食べて腸を改善してあげれば、ポリュープができにくくなるだけではなくて、そこで善玉菌が増えて免疫力がアップして癌さえも治してしまうのは当たり前のことのように思えます。
追記:
キャベツを食べ初めてもうすぐ4年、今までは一、二年に一度くらい風邪をひいていましたが、この4年間全く風邪知らず! と、思いきや、最近風邪らしきものにかかりました。でも少し様子が違います。熱は出ないし、身体もだるくならないし、喉の辺りが少し変な程度。結局完全に治るには1週間ほどかかりましたが、もう二日目くらいから風邪をひいた時の後半のようにタン(免疫に負けた病原菌の死骸)が出ていました。風邪の菌は身体の中で増殖はできたものの、免疫にやられて猛威を奮えなかったようです。
21.10.12
人間は何を食べるべきかを読んでくださりありがとうございます。もし多少なりとも感じられるところがありましたら、是非続けていいからだの動かし方も合わせてご覧ください。さらにはその後、いい考え方、いい睡眠のとり方まで全部で4つあります。健康の4原則です。