人間の歴史は猿と人間の間の先祖まで入れれば数百万年。靴の歴史はわずか数千年。しかもかかとの部分が厚くなってきたのはほんの近代。わずか数百万分の百とかそういうレベルです。さて、どちらの方が人間の身体により良いでしょうか。
瞬時の動きや短距離走、階段の昇り降り、縄跳びなど、どれも全てつま先着地です。自転車こぎだってつま先をペダルに乗せた方がふくらはぎが働くので有利です。どんなにいい靴でも、足先のアーチ状プラス足首という自然のクッションにはかなわないのです。
スポーツなどで膝を痛めなくても、多くの高齢の人たちが膝の故障で悩まされています。革靴などでコツコツと音を立て、もろにかかと着地をしているのが、「骨、骨、骨、」という膝の悲鳴に聞こえてしょうがありません。そういう膝への負担を自分で気が付かないレベルでも何十年も続けていれば、歳を取ってから膝が悪くなってもおかしくありません。
とても面白いことに、プールサイドなどのタイル張りなどで地面が硬い場合はみなさん誰でもかかと着地はしていません。自然にベタ足着地になっています。つまり、足の裏全体での着地です。ところが靴を履いてしまうとそれをしないのです。かかとの柔らかい靴などに頼ってしまうから、かかと着地になってしまうわけです。